REPORT
レポート

「拝島ねぎ保存会」の皆さんの畑を訪問しました。[後編]

「拝島ねぎ保存会」の皆さんの畑を訪問しました。[後編]

REPORT レポート

次にお伺いしたのは、「拝島ねぎ保存会」会長の鈴木勇作さんの畑です。鈴木さんの畑からは、車屋でのお料理用に拝島ねぎをご提供いただきます。

鈴木さん「これ見て、分かるかな。こちらから三本の畝が拝島ねぎで、その向こうには普通のF1(交配種)の一本ねぎを植えてあります。向こうの方が、葉がピンと立っているでしょう」


△手前の三本の畝の拝島ねぎの葉に比べて、奥の一本ねぎの葉は太くて立っている

―― 本当ですね。拝島ねぎの方は細くて柔らかくて、葉が折れています。

鈴木さん「これだけ差があるんですよ。柔らかくておいしいんだけど、風に弱い。台風21号の前に、土を少し寄せたのでいくらか助かったのですが、土を盛り過ぎると今度は温度が高くなってしまって、腐ってしまうんです。今年は台風が大当たりの年だから困るね」

―― 土を盛る加減は難しいんですね。でも土を盛らないとねぎは育たない?

鈴木さん「ねぎは、茎が分かれる芽の部分まで土を盛るんです。そうすると苦しいから、ねぎがぐんぐんと伸びてくる。1週間から10日くらいでぐっと伸びるんです。その繰り返しで3回くらい土を盛ってあげると、30~35センチくらい、土の中の白い部分が伸びてくるんです」

―― なるほど。そうやってねぎは育つんですね。数種類のねぎと、他にもいろいろ作っていらっしゃいますね。

鈴木さん「季節ごとにね。この時季はモロヘイヤ。木みたいでしょう?葉っぱの上の方の、柔らかい部分を収穫して食べます」


△モロヘイヤ

―― こんな状態のモロヘイヤ、初めて見ました!いろんな作物があって面白いです。それにしても、畑が住宅に近いんですね。

鈴木さん「昔は畑の中に住宅がぽつんぽつん、とあったのが、今は逆転して、住宅の中に畑が点々とある状態になってしまったから、都市の農業ならではの難しさがあります。畑で出た収穫後の葉や根などのごみが昔みたいに燃やせなくなったのも大変だし、消毒などをしなければならない時も、周りの住民の方にとても気を使いますね」

―― 農地と宅地の面積が逆転したことで、農業への理解を得ることが必要になったんですね。

鈴木さん「理解を深めたいですよね。拝島ねぎも、食育の一環として小学生の給食に出したりしたこともあって、だいぶ地元の特産として知る人も増えていますよ」

―― なるほど、地元とのつながりを育てることも大切なんですね。ありがとうございました。

最後にお伺いしたのは、井上茂夫さんの畑。こちらでも収穫体験をさせていただきます。


△収穫体験をさせていただく、拝島ねぎ保存会 副会長の井上茂夫さんの畑

―― 台風、大変でしたね。

井上さん「みんな、ねぎが横に寝てしまってね。起こさなければならない。土をかけ過ぎてもいけないんから難しいですよね。昔、いい調子で畝に土を寄せたら、夏の暑い時季に、ねぎがみんな溶けてしまった…なんていう苦い経験もあります」

―― 風の他にも、暑さにも弱いんですね。

井上さん「ねぎ全般にいえることですが、暑いのはだめですね。暑くなるとネギアザミウマという虫に舐められたりします。それから、雨が多い時もよくないです。ねぎは湿気には弱いんですね。乾燥するのがいい。あまり雨が降らなければどんどん伸びます」

―― なるほど。井上さんは拝島ねぎを作って長いんですか。

井上さん「私のおふくろが拝島の出なものですから、拝島ねぎは昔から自分たちで作っていましたよ。その頃、ねぎといえばこちらの方は拝島ねぎでした。小さい頃は、ねぎ坊主から自分たちでタネを採って、それを蒔いたものです」

―― 昔はずっとタネを採ってきたんですね。拝島ねぎは何月頃にタネ蒔きするんですか。

井上さん「人にもよりますが、私は苗床を作るのは3月くらいです。台風で倒れないために蒔く時期を計算して、あんまり慌てて早くはやりません。でも、すべての作業を入れると1年ちょっとかかりますね」

―― 一年かけた拝島ねぎ…当たり前ですけれど一本一本が貴重ですね。ありがとうございました。

作り手の想いと手間が詰まった貴重な拝島ねぎを、特別な料理で食べてみませんか?
11月18日(日)に開催する、第1回目の「拝島ねぎ収穫体験&一日限りの拝島ねぎ特別会席」イベントは、こちらからお申込みいただけます。定員がありますので、ご予約はお早めに。

イベントの詳細・参加申し込みはこちらから