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【開催レポート】11/18(日)「拝島ねぎ収穫体験&特別会席」(後編)

【開催レポート】11/18(日)「拝島ねぎ収穫体験&特別会席」(後編)

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たっぷりのお土産と共に車屋の大広間へ着いた一行を、床の間に飾られた拝島ねぎがお出迎え。昔ながらの荒縄で束ねられています。大竹先生によれば、これは「飾りまるき」といって、昔は、ねぎ農家が豊作の感謝をこめて神社へ奉納するときに、このように束ねたのだそうです。「まるき(まるく)」とは「束ねる」という意味なのだとか。

さて、続いて本日の講師、江戸東京・伝統野菜研究会の代表を務める大竹道茂さんの「江戸東京野菜と拝島ねぎ」の講座の始まりです。

江戸時代、参勤交代で江戸に来た大名が下屋敷で故郷の野菜を育てたことから、江戸には全国の野菜のタネが集まり、豊かな野菜文化が生まれました。
関西は青い葉を食べる「葉ねぎ」、関東は拝島ねぎのように白い「根深ねぎ」が主流ですが、実は根深ねぎのルーツは摂津(大阪)の「難波ねぎ」で、これは京都の「九条ねぎ」のルーツでもある「葉ねぎ」なのだといいます。

「大阪から持ち込まれた難波ねぎを、砂村(現:江東区北砂・南砂)や品川で育ててみたところ、江戸は大阪よりも寒かったので、霜枯れ病でみんな枯れてしまったんです。農民はがっかりして、枯れたねぎを土に返すために畑で焼きました。ところが焼いた白い根元の部分を試しに食べてみると……これが甘くておいしかったんですね。江戸の寒さ対策と、おいしさの一石二鳥で、根の白い部分を土の中で育てて長くする根深ねぎの栽培法に辿り着いたんです」と大竹さん。

こうして難波から独自の栽培法で根付いた「砂村一本ねぎ」が、青物市場のあった千住宿に伝わって「千住ねぎ」となり、さらに水戸街道を北上して水戸に辿り着き、それが拝島に渡って「拝島ねぎ」 になったのだそう。拝島ねぎのルーツの物語がとても深くて面白く、あっという間の30分でした。

講演が終わってちょうどお腹がすいた頃、いよいよ「拝島ねぎ特別会席」が運ばれてきました。車屋の井坂雅次料理長による、本日の献立の紹介です。

「普段、私たちが作る会席料理では同じ食材を重ねて使うことはないのですが、今回は拝島ねぎをすべての料理に使っていて、そこはなかなか苦労したところです。もし気になる料理があれば、後でレシピもお教えします。さあ、皆さんお腹が空いているでしょうから、挨拶はこの辺にして(笑)どうぞご賞味ください」。

食前の梅ドリンクで乾杯のあと、前菜に始まり、タイミングを見ながらお料理が運ばれてきます。
調理場に戻った井坂料理長に代わって、副支配人の原島さんがお料理を一品ずつ紹介。

参加者は熱心に話を聞きながら、お料理の写真を撮ってから召し上がっていました。皆さん目で、耳で、そしてもちろん舌で、じっくり料理に向き合って味わっているのが印象的でした。

大竹先生も参加者と一緒に楽しくお食事。江戸東京野菜について、話が盛り上がっています。

前菜の「豆乳葱豆腐」と、焼物の「合鴨拝島葱南蛮焼」は、家庭でも楽しんでほしいと、井坂料理長直伝のレシピがお土産に配られました。


△一番奥が「豆乳葱豆腐」


△右手前から2番目が「合鴨拝島葱南蛮焼」

最後のデザートになり、料理を終えた井坂料理長が再び登場してご挨拶。ここからは参加者から料理長への質問タイムです。

「椀替りの“拝島葱風味蒸し”は、ポタージュのような味わいがしましたが、素材は何ですか?」という質問に、「これは洋風の茶碗蒸しで、本来は玉ねぎを使う部分に今回は拝島ねぎを使っています。上にかけた餡も、拝島ねぎの青い部分をペーストにして使い、一部青菜も入っていますが、ほとんど拝島ねぎの青色なんですよ」と答える料理長。和の中に洋の要素も取り入れて、なおかつ拝島ねぎを様々に使っていたことに、会場からは驚きの声が上がっていました。


△「拝島葱風味蒸し」

「前菜で出た“拝島ねぎの酢味噌和え”がおいしかったのですが、家庭でもできますか?」との質問には、「酢味噌和え自体は、ご家庭で作る作り方とほぼ同じです。でもベースとなる味噌が“玉味噌”といって、お店で独自に材料を調合して練り上げた味噌なんです。完成した味噌としては売っていなくて、その店ごとの独自の調合、いわば日本料理店それぞれの秘伝の味です。だから同じ味にはなかなかならないとは思いますが……」という言葉には、皆さん納得。
「ただ、白味噌をベースにしていますから、ご家庭では白味噌で作ってみるとイメージが近くなると思います」とのことでした。

参加者の皆さんは、普段はなかなか会うことのできない料理長に直接質問し、様々な技を身近にすることができて、日本料理への興味がさらに高まった様子でした。
最後は、拝島ねぎの「飾りまるき」の荒縄を解き、早い者勝ちの「宝分け」をして、第一回目のイベント「拝島ねぎ収穫体験&一日限りの拝島ねぎ特別会席」は無事お開きとなりました。

帰りには、JA東京みどりの「拝島ねぎみそ」のお土産販売も。こちらは完売に。

ご参加くださった皆さん、誠にありがとうございました!次回の「江戸東京野菜収穫体験&特別会席」は、夏に「寺島なす」の収穫体験と江戸東京野菜の夏野菜料理を予定しています。またどうぞ足をお運びください。

そして、第2回目のイベント「ひなまつりの室礼講座&車屋の行事食 ひなまつり膳」は参加者募集中です!こちらもぜひお楽しみください。

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